M&Aの流れ

初期のご相談から、スキームの提案、資料の準備、条件交渉、基本合意、最終契約に至るまでワンストップで支援。
実務経験豊富なアドバイザーが、最後まで責任を持って対応いたします。

金融事業法人に特化したM&Aワンストップ・サービス


案件概要書の提示

売り手側は、対象の企業名を明記しない状態で、企業情報及び希望条件の概要書を作成し、買い手候補と共有することが一般的です。この資料は「案件概要書」という名称で扱われる文書です。「案件概要書」を用意しておけば、売り手はより多くの買い手候補と同時に交渉が進められます。


秘密保持契約(NDA)の締結

相手が見つかり、本格的にM&Aの検討が始まる場合、売り手・買い手双方は、より詳細な情報を入手する必要があります。特に売り手にとっては、M&Aを検討していること自体が極めて秘匿性の高い情報であることに加えて、買い手に提供する資料には非公開の内部情報が含まれています。これらの情報を秘密として保持する必要があり、秘密保持契約を締結します。

基礎情報の開示

秘密保持契約締結後、買い手はM&Aの効果や妥当性を判断するため、売り手から必要な情報を開示してもらい、決算書や事業報告書、組織図等の様々な資料から初期段階の分析を実施します。

  • 業務面・財務面・人材面の内情
  • 現状での収益力と成長性
  • 企業価値の概算
  • 重大な法的リスクの確認


トップ面談

基礎情報の開示・交換後に双方が交渉に進む意思があれば、売り手、買い手のトップ面談が行われます。


基本合意書の締結

トップ面談後、買い手からの基本条件提示を受けて、売り手が同意すれば、基本合意書を締結します。基本合意書はM&Aの取引成立を確約するものではなく、それまでに必要なプロセスとスケジュールなどの約束事を双方で明確にするために結ばれます。基本合意書では一般的に以下の事項が明記されます。

  • 合意した基本条件の内容
  • 独占的交渉権の付与
  • 提示価格・取引スキーム、スケジュール等
  • デュー・ディリデンス(法務・財務・ビジネス等様々な観点からの価値・リスク調査)の実施、協力
  • 取引完了まで、売り手が大きく事業の内容や財務状態を変えるような行為を行わない義務を負うこと
  • 基本合意書が法的拘束力を持たないと規定するのが一般的です。
デュー・ ディリジェンス(※) の実施

基本合意締結後、買収側によるデュー・ディリジェンスが行われます。

※買い手企業が売り手企業に関しておこなう実態調査のことをいいます。
これまでのプロセスで提供を受けた資料、情報だけでは分からない、より詳細な会社の実態を把握するために行われます。会社の全ての財産・負債・リスク等を確認し、売却金額の妥当性や最終契約に盛り込むべき条件を検討していきます。

財務調査や法務調査は専門的な内容となるため公認会計士や弁護士に依頼して実施するケースがほとんどです。ここで買収側に予想外のデメリットをもたらす売却側の新しい情報が出てくると、M&A自体が中止となってしまうリスクがあります。それを避けるため、売却側は買収側に、M&Aの実行の重大な支障となり得るポイントについては、対応策などのフォローも交えて早めの段階で情報共有をすることも検討に値します。
最終条件交渉


デュー・ディリジェンスの結果を踏まえて、最終的な条件を検討し、最終契約の条件交渉を進めます。


最終契約

基本条件に変更が無い場合、または条件の変更が双方で合意されれば最終契約となります。
最終契約書には、主に以下の事柄等が記載されます。

  • ・M&Aの対象となるモノや権利等の内容
  • ・売却金額
  • ・現金及びは株式等の引渡しについて
  • ・実行の前提条件
  • ・誓約事項
  • ・表明及び保証
  • ・善管注意義務
  • ・役員及び従業員の待遇
  • ・秘密保持
  • ・競業禁止義務
  • ・補償
  • ・売却会社経営者の個人保証解除について
  • M&Aの対象となるモノや権利等の内容
  • 売却金額
  • 現金及びは株式等の引渡しについて
  • 実行の前提条件
  • 誓約事項
  • 表明及び保証
  • 善管注意義務
  • 役員及び従業員の待遇
  • 秘密保持
  • 競業禁止義務
  • 補償
  • 売却会社経営者の個人保証解除について
表明及び保証

売り手及び買い手が取引を行うための前提となる条件を記載します。

  • 表明保証の事項が事実であること
  • クロージングまでに双方が義務を履行すること

このような前提条件を記載します。これらの前提条件は、売り手、買い手それぞれについて規定され、相手方が前提条件を充足しない場合には、条件が充足されまでの間、M&Aの実行を拒否することができます。

補償

表明保証事項への違反が判明した場合や契約上の義務に違反した場合、それによって相手方に発生した損害額を補償する義務を明記します。ただし、期間や金額に限度が設けられるのが一般的です。

クロージング

最終契約書に基づいてM&Aの取引が実行されること、すなわち、取引の対象である株式や事業の引渡しと売却金額の支払によって、経営権の移譲が完了することをいいます。選択したスキームによってクロージングの形が異なります。

株式譲渡のクロージング

株式譲渡は、売却会社の発行済株式を買収側に譲渡する方式です。
買収側は売却側に対して対価を支払います。シンプルな方式で、中小企業のM&Aではよく用いられる方式です。
株式譲渡では、買い手は売り手から株式を取得します。買い手は売り手側にその代わりに現金等を支払います。
売り手は株券の引渡しや、株主名簿の書き換え請求を行います。

会社譲渡の税金については次項をご確認ください
事業譲渡のクロージング

事業譲渡は、売却(譲渡)企業の事業全部または一部を譲り受けます。財産以外にもノウハウ・技術・取引先関係などの無形財産(のれん)の価値も加味される点は、株式譲渡と同様です。売却(譲渡)企業には通常、対価として現金が支払われます。
事業譲渡では、譲られる資産・負債・権利義務について、全て個別に移転するものと整理されます。負債や、雇用契約、取引契約その他の契約上の地位については、移転のためにそれぞれ第三者の承認を得る必要があるため、一定の日付で全ての移転が完了しないケースもままあります。すぐに承認が得られない場合、それぞれの項目について関係者と協議を重ねて、完全な移転を目指していきます。 

会社譲渡の税金について

会社譲渡とは、会社の所有権を売却することです。一般的には、株式譲渡と同義で使用されます。

会社譲渡と事業譲渡の違い

 ■売り手  会社譲渡  事業譲渡
譲渡益への課税 所得税(20%)が課税 法人税(29%~42%)が課税
契約のまき直し 不要 必要
手続き 簡便 複雑
事業・資産 継続保有したい事業・資産を法人格ごと残すことが可能 法人格と譲渡対象の事業・資産が切り離される
 ■買い手  会社譲渡  事業譲渡
買収金額の償却 償却不可 営業権は5年で償却可能
投資額に節税効果も
契約のまき直し 不要 必要
手続き 簡便 複雑
事業・資産 全ての資産を継承 必要な資産のみ選択的に継承
簿外負債・偶発債務 継承 回避
顧客・従業員の
継承漏れリスク
事業譲渡よりやや低い 事業継承よりもやや高い